2026年3月、国が運営する「早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業・通称Vアップ事業)」が大幅に改定されました。専門家への費用補助の上限が従来の約3倍となる最大80万円に引き上げられ、費用の3分の2を国が負担する仕組みはそのままに、中小企業がより活用しやすい内容となっています。この制度の最大の特長は「業績が悪化する前の早期段階から使える」点です。金融機関への返済猶予が必要になる前に、専門家と一緒に手を打てるのがVアップ事業の強みです。倒産件数が11年ぶりに年間1万件を超えた今こそ、早めの対策が経営防衛の鍵となっています。
Vアップ事業とは?405事業とどう違うか
Vアップ事業は、中小企業・小規模事業者が国認定の専門家(認定経営革新等支援機関)と共に経営改善計画を策定するとき、その費用の3分の2を国が補助する制度です。「認定経営革新等支援機関」とは、国が審査・認定した税理士・公認会計士・中小企業診断士などの専門家や金融機関のことです。中小企業庁が所管し、都道府県に1か所ずつある「中小企業活性化協議会」を通じて申請します。
計画書には、現状の財務分析・収益改善の数値目標・具体的な行動計画などを盛り込みます。金融機関が自社の経営状況を客観的に把握しやすくなるため、融資審査や関係改善にも直接役立ちます。
類似制度として「405事業(経営改善計画策定支援事業)」がありますが、405事業はリスケ(返済猶予)や追加融資などの金融支援を伴う本格的な再生局面が対象です。Vアップ事業は金融支援が不要な早期段階から活用できる点が大きな違いです。
- 売上・利益が落ちてきたが、まだ余裕はある
- 資金繰りに少し不安を感じはじめた
- 金融機関との信頼関係を強化したい
- 自社の財務状況を数字で客観的に整理したい
2026年3月改定:補助上限が約3倍に拡充
2026年3月26日に制度・申請様式が大改定され、補助上限が大幅に引き上げられました。
| 区分 | 補助上限(改定後) |
|---|---|
| 計画策定支援費用+伴走支援費用(標準) | 80万円(費用の2/3) |
| 事業承継先探索費用(2026年新設オプション) | +10万円 |
| 経営者保証解除費用(2026年新設オプション) | +10万円 |
| 全オプション込みの最大補助額 | 最大100万円 |
改定前の補助上限は約25万円でしたが、今回の改定で約3〜4倍に拡充されています。費用の3分の2が補助されるため、たとえば専門家費用が合計120万円かかった場合、国からの補助は80万円、経営者の自己負担は約40万円となります。
また今回の改定では、伴走支援が「3年間・年2回以上の実施」として義務化されました。計画書を作って終わりではなく、作成後も定期的に専門家と経営状況を点検・更新する仕組みが整い、金融機関からの継続的な信頼獲得にもつながります。
申請の流れ:3ステップで始められる
- 認定支援機関に相談する
税理士・公認会計士・中小企業診断士などの認定経営革新等支援機関に相談します。顧問税理士がすでに認定機関の場合も多いため、まず確認してみてください。認定機関は中小企業庁のウェブサイトで検索できます。 - 中小企業活性化協議会に事前相談・申請する
認定支援機関を窓口として、都道府県に1か所ある「中小企業活性化協議会」(中小企業の再生・経営改善を支援する公的機関)に申請します。着手前に協議会への事前相談と承認が必要なため、早めに動くことがポイントです。 - 計画策定・金融機関提出・伴走支援スタート
認定支援機関と共に経営改善計画書を作成し、メインバンクなど金融機関に提出します。承認後は3年間にわたる定期的な伴走支援が始まります。
まとめ:経営者がいまやるべきこと
Vアップ事業(早期経営改善計画策定支援)は、2026年3月の改定で補助上限が最大80万円(オプション含む場合は最大100万円)に拡充され、制度の終期も2028年1月まで延長されています。ただし予算は有限であり、早めの相談が鍵です。
業績悪化が深刻になってからでは金融機関の支援も限られます。「まだ余裕がある今」を活かすことが、この制度を最大限に活かすコツです。
- 顧問税理士・中小企業診断士などの認定支援機関に相談する
- 都道府県の中小企業活性化協議会に問い合わせる
- 経営改善計画書を作成し、金融機関との関係を強化する
株式会社アークスターは国の認定経営革新等支援機関です。Vアップ事業の申請支援から計画策定まで、ワンストップでお手伝いします。まずはお気軽にご相談ください。